INASOFT さんが、ソフトニック社に取材に行かれたようです。

東日本大震災の発生により、忘れられつつある「ソフトニック問題」。
そんななか、「すっきり!!デフラグ」 や「いじくるつくーる」でおなじみの INASOFT さんが東京のソフトニック社を訪れ、直撃インタビューをした記事が公開されました。

記事:http://www.yoshibaworks.com/ayacy/inasoft/talk/h201103b.html

この記事を見ると、ソフトニック社の本来意図する部分や、今後の改善等について分かります。
しかしながら、個人的に少々気になる部分もいくつかありましたので、それこそ INASOFT さんの記事にただ乗りするようで恐縮ですが、ここで少し書いてみたいと思います。

■ソフトニックダウンローダーが開発者に未周知となっていたが、なぜ開発者に事前周知しなかったのか?

【ソフトニック社の回答】
ソフトニックダウンローダーによるダウンロードは、いわゆる改変やバンドル(同梱)といった行為と異なります。
これは、「ダウンロードの方法を提供」するものであるため、開発者への事前の周知が必要とは考えていませんでした。
また、「ダウンローダーの提供を介したダウンロード」という方法は、世界的にはよく行われることであり(Adobeダウンローダはその一例)、日本進出までに問題とはならなかったこともあり、このように考えていました。
この点については申し訳なく思っています。

この点についてソフトニック社は、「Adobeダウンローダ」を例としてあげていますが、ソフトニックのダウンローダと、この Adobe のダウンローダとは決定的に異なる点があります。
それは、「誰のソフトをダウンロードさせているか」ということです。
Adobe は、自社のソフトウェアをダウンローダを用いてダウンロードさせています。Google ツールバーをインストールするようにデフォルトでは設定されていますが、これも「自社製品を利用して、Googleからの収益を得るため」のものであり、これについては何ら問題はありません。 いわゆる「アフィリエイト」的な考えに基づいています。

しかしソフトニックダウンローダは、「他社のソフトウェアをダウンロードさせている」上に、「他社のソフトウェアを利用して自社の収益を上げる」ということをしています。
これは、Adobe の事例とは天と地ほどの違いがあり、比べるべきではありません。
ですから、記事中で INASOFT さんがおっしゃっているように、これは「周知しなければならない」ものであり、ソフトニック社は、自社のダウンローダとAdobeのダウンローダの本質的な違いを把握していなかった、といえます。

記事中での話が前後しますが、次は、ソフトニックダウンローダの意義についてです。

■ソフトニックダウンローダーに関する見解を聞かせて欲しい(ダウンローダーの配布に関する意図、利点など)

【ソフトニック社の回答】
まず、大前提としてソフトニックは『ユーザーのための』サービスを提供しています。
このため、ソフトニックダウンローダーは、ユーザーのため―――特に初心者(あなたの両親を想像すると良いかもしれない)のためのサービスです。
Vectorさんや窓の杜さんなどの同業他社と異なる利点として、ソフトニックダウンローダーを経由してソフトウェアを入手してインストールすることで、ユーザーの手元でたくさんのバージョンのファイルで溢れかえったり、あるいは最新版のファイルを探してユーザーが戸惑うことを防ぐことができます。

これについても少々おかしなことがあります。
「ユーザーの手元でたくさんのバージョンのファイルで溢れかえ」るとはどういうことでしょう。
普通に考えると、「バージョン1、バージョン2、バージョン3・・・」と、次々にダウンロードしていって、過去の版がデスクトップなどに放置される、ということでしょう。
これが、「ソフトニックダウンローダ」を使うと解消されるのでしょうか?
ちょっとここでソフトニックダウンローダの動作を整理してみましょう。

1.ソフトニックのサイトからダウンローダをダウンロード
2.ダウンローダを実行
3.ダウンローダが、(ツールバーなどとともに)ソフトウェア本体をダウンロード
4.そのソフトウェアは、デスクトップに保存される
5.デスクトップにダウンロードされたファイルを各自解凍等して実行する

です。
つまり結局は、「デスクトップにダウンロードされる」ということに変わりはないのです。
それどころか、「ソフトニックダウンローダ」という余計なファイルが1つ増えることになります。

INASOFT さんの感想として「開発者のサイトの最新版のファイル名が、常に同じファイル名になっているわけではありません。」とありますように、ファイル名が異なる場合、ソフトニックダウンローダを通じてダウンロードしても、それらのファイルがダウンロードされて、保存されることになります。
つまり、複数のバージョンのファイル+ソフトニックダウンローダが存在してしまうことになります。
この点については、深く知りたいところではあります。

結局、ソフトニックダウンローダの何が問題か。
それは「他社のソフトウェアに自社のツールバーを添付している」ことなのです。理屈上、「改変ではない」「バンドルとは異なる」と言われても、見る限りはあきらかに改変と見えますし、どう考えても「バンドル」です。
それに、ユーザは「これは改変じゃないから作者のせいではない」などとは考えず、「わっ!このソフト変なツールバー入れてくる!」としか考えません。
ですから、理屈でどうのこうの言われても、最終的には結果論で評価されるのがソフトウェアなのです。

Vectorさんや窓の杜さんは、ソフトウェア自体を、全く改変したりツールバーなどを添付したりしていません。
ソフトウェアを紹介するサイトに広告を掲載しているからです。
サイトに広告を掲載する場合は、そのソフトウェアとの完全な分離がされており、「ダウンロードサイトに広告が掲載されている=ソフトの作者のせい」とはなりません。
むしろ、営利企業が健全な収益を上げる上で大切なことです。

ソフトニック社に関しては、通常の手法とは全く異なる方法であり、少なくとも日本で普及することはないでしょう。
個人的には、ソフトニックには(質の問題はさておいて)「レビュー」という武器がありますので、Vectorさんや窓の杜さんのように、ソフトウェア自体は、ツールバーやダウンローダを入れずに普通に公開して、サイトに広告を入れるようにすることで、かなり受け入れられるサイトになると思います。

いずれにせよ、ソフトニックに関してはまだまだ知りたいことがたくさんあります。
今は地震の影響等でお忙しいでしょうから、落ち着いてきたら何らかの方法でこれらについて確認してみたいなと思います。


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